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カテゴリ[レポート]

修士1年冬学期提出済みレポートから抜粋。

  • 情報の価値は必ず正の値を持つ事が知られているが,人間の日常生活においては,「知らない方が幸せだった」などのように負の価値を持つ情報が存在するように感じる場合がある.このギャップを「情報の価値」「効用」などのキーワードを用いて説明せよ.

分類

情報に負の価値を感じる場面を想定し、次のように分類した。

危険な情報
知ってしまうと殺されてしまう、知ってしまうと旅に出なければならない、といった情報。
自分の感情、機嫌を害する情報
怖くて眠れない、不安がぬぐえない、悲しみから立ち上がれない、といった情報。自分への中傷、親しい人への中傷
順序によって価値が低下する情報
ミステリー小説のクライマックス、映画のオチ

分析

1は、知るという行為によって外環境が悪化する場合、2は、内環境が悪化する場合、という風に考えられる。情報理論においては、「情報の価値」は情報のみの世界の中で定義されているが、実社会においては「情報」以外にも価値判断の要素がある。知ったからには生かしておくわけにいかない、などというのはよく見かける場面であるが、この場合、「殺される」という事象は、知った情報とまったく関連がない。(「リング」などのフィクションなどに見られる「呪い」の概念には、若干そういった要素があるような気もする。)

3は、情報の世界での話であるので興味深いが、これはよく考察すると、「未来に、より正しい順序で情報を得られる」という仮定の下で、相対的に価値が下がっている、と考えられる。実際、見る予定のない映画や、一生見るチャンスのなさそうな舞台などであれば、あらすじでもなんでも喜んで耳を傾ける。

3つを通してもう一つ重要な点は、「忘れる」という機能が人間にとっては容易ではない、という点である。仮に記憶消去のツボなり記憶操作電磁ヘルメットなりが存在するとすれば、入力された情報に負の価値があると分かった時点で消去することにより、被害を最小限にとどめることが出来る。瞬時に出来るのであれば被害は漸近的にゼロと言ってよい。脳内に情報が残っていたとしても、そこにアクセスする手段を絶つなど、とにかく、思い出せない状態になれば問題ない。

こう考えると、計算機というのは実際それが出来るのであり、故に負の価値を持つ情報はありえない、と言えるのではなかろうか。

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